あおウサギ先生の貧血診療所
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鉄剤のこと

貧血の大きな原因の代表とも言われる鉄不足。この鉄分について少し触れていきたいと思います。間違った知識を持っている人もいるのではないでしょうか。ここで鉄のことを正しく理解して、貧血治療に取り組んでいきましょう。

鉄剤を飲んで副作用はある?

年齢の高い人は、鉄剤を飲むと副作用があると言う人も多いでしょう。確かに昔の鉄剤は副作用がありました。

胃の調子が悪くなって、吐き気やむかつき、下痢を起こす場合があったようです。これは、昔の鉄剤が鉄の粉を丸めて作ったようなものでしたので、胃粘膜を刺激してしまうために起こっていました。現在の鉄剤でこうした胃の副作用に悩まされるということは滅多にありません。

現在の鉄材

現在の鉄剤は、昔と違って表面がコーティングされていますので、飲みやすく、副作用も少なくなっています。胃で溶けず、十二指腸で溶けるようになっている鉄剤もあり、胃への負担も最小限に抑えられています。少なくなったとはいえ、全くなくなったわけではありません。

鉄剤を服用している1割の人には、やはり胃の不調を訴える副作用が出ているようです。しかしながら、これは副作用を意識しすぎている精神的な要素が原因のことが多いことも事実です。

鉄剤は空腹時や食間に服用して吸収を高めるのですが、どうしても気になる場合は食後に服用することで、胃への刺激が緩和されます。どうしても胃の不調がおさまらない場合、注射で鉄分を補うことになるので、医師に相談してみるといいです。鉄剤を服用すると、便が真っ黒になりますが、これは鉄剤のせいですので問題ありません。

よくお茶で飲んではいけないというけど…

お茶やコーヒーで鉄剤を飲むと、吸収が妨げられてよくないという話を耳にしたことはありませんか?

これはタンニンという成分が鉄分と一緒になることで、タンニン酸に変化し、体への吸収を邪魔してしまうと言われているからです。

確かにこうした作用は起こりますが、食べ物からも鉄分を摂り、更には鉄剤からも50〜100mgも摂取しますので、多少の吸収を妨げられても気にするほどではないでしょう。また、鉄欠乏性貧血になると、通常時よりも腸での鉄の吸収率がよくなります。こうしたことから、お茶やコーヒーで鉄剤を服用しても、吸収量に影響するほどではないということです。ですが、わずかでも吸収が阻害されるのは事実です。

お茶やコーヒーで飲んでもいいからと言っても、やはり水や白湯で飲むのが一番望ましい飲み方ですね。

貧血は再発する?

貧血の治療を行って、症状や数値が改善されても、いつか再発することはあるのでしょうか。

貧血を繰り返すかどうかは、貧血のそれぞれのタイプの原因にもよるでしょう。貧血の中で最も多いと言われている、鉄欠乏性貧血の場合、鉄分を補給することでその症状はなくなります。ですが、元々どうして鉄が不足してしまったのか、その元となるものを改善しなければ、鉄剤の投与をやめるとまた貧血の症状が出てくるでしょう。

鉄欠乏性貧血』の項で紹介している通り、この貧血は胃腸での鉄分の吸収がうまくいかないことや、食生活が偏っていること、消化器系の疾患や月経量が多いことでの慢性出血が原因になっています。これらを改善していかなければ、いくら鉄剤で症状を抑えても、しばらくするとまた貧血になってしまうのです。

鉄以外でも、ビタミンB12の欠乏で貧血に陥るということはすでに紹介済みですね。胃を切除した人はビタミンB12の吸収因子が不足するために悪性貧血を引き起こしてしまいます。術後5年前後で発症する悪性貧血は、ビタミンB12の注射を続けていかなければいけません。

貧血の症状が改善されたからといって、途中で治療を勝手に中止しないことです。ちゃんと医師の指示を守って治療に取り組まなければ、いずれまた貧血の症状が出てくるでしょう。

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