あおウサギ先生の貧血診療所
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溶血性貧血

赤血球の寿命が短くなるため起きる貧血を溶性貧血といいます。日本では比較的頻度が少なくて、あまり見られない貧血とも言えます。赤血球の通常の寿命は120日ですが、この貧血になるとわずか10日程しかなくなったり、血管の中などで赤血球が破壊されて起こる貧血なのです。自分の体内の赤血球にもかかわらず、自ら赤血球を壊してしまうという貧血です。ひどい症状の場合、臓器の摘出なども考えられますので、症状が軽いうちに医師の指示で貧血を改善していかなければいけません。

こんな症状が出たら要注意!

倦怠感や息切れなどの貧血症状の他に、黄疸の症状が出てくるのが特徴です。黄疸と赤血球は緻密な関係にあります。

赤血球が破壊されるとビリルビンという黄色い色素ができます。これが血液の中で増加すると皮膚や白目が黄色くなります。赤血球を処理する脾臓では、その量が増加するために脾臓が腫れてしまうことも多く、ビリルビン結石を形成してしまい、胆嚢結石になってしまうことも多く見受けられます。症状が進行すると、熱が出たり腰痛を伴うこともあります。

溶血性貧血かどうかの検査は、通常の貧血検査の他に、骨髄で造られたばかりの網背血球の検査と、血清の中のビリルビンの濃さを測り、更には赤血球の寿命も検査します。

溶血性貧血の原因は?

この貧血の原因はいくつかありますが、先天性のものと後天性のものの、大きく2つに分けることができます。

先天性のものは、赤血球そのものに異常があるもの、後天性のものは、赤血球は正常なのに、破壊を進めてしまう要因がある場合になります。

先天性

元々赤血球の膜に異常が見られる球状赤血球症や楕円赤血球症などの他に、ヘモグロビンの異常で見られる鎌状赤血球症があります。正常な赤血球は円盤状で真ん中が少しくぼんだ形をしています。とても変形しやすく、毛細血管も容易に通り抜けることができます。

けれど、先天性の溶血性貧血になると赤血球が変形しにくくなり、毛細血管を通り抜けることができずに詰まってしまうのです。脾臓の毛細血管につまりやすく、古い赤血球と体が勘違いをし、破壊されてしまうのです。こうして溶血が起こります。

後天性

後天性のものにも原因がいくつかあり、運動によって起こるものやヤケド、きわめて稀ですが、蛇に噛まれてなるもの、自己免疫性によるものなどがあります。一番多く見られる原因は、自己免疫性によるものになります。

自らの赤血球に対して攻撃を加えていってしまうもので、赤血球の破壊を招いてしまいます。本態性の原因不明のものと、二次性の、白血病などの疾患が原因になっているものとがあります。

運動が原因になっている場合、マラソンなどで強い衝撃が足の裏にかかり続け、足の裏の血管から赤血球が壊されていく場合があります。

また、裸足で運動を行う剣道や柔道の選手、マラソンランナーでなくても、健康のためにジョギングを行っている人にもしばしば見られます。あくまでも個人差がありますが、これらの運動も赤血球を壊す原因になっている場合もあります。

溶血性貧血の治療

先天性の治療としては、軽い貧血の症状であれば特にこれといって治療はせず、食事療法などで様子をみることになるでしょう。

ひどい貧血や黄疸が出ている場合では赤血球を壊してしまう源である脾臓を摘出することになるでしょう。これにより貧血は改善されて黄疸症状も少なくなっていきます。後天性のものは副腎皮質ホルモンの投与が行われます。

ほとんどが副腎皮質ホルモンの投与で溶血が治まるのですが、これでも効果が見られない場合は、免疫抑制剤を投与したり、脾臓の摘出を行う場合もあります。胆石症が合併症として出ることが多いため、同時に胆嚢も摘出されることが多いようです。

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